成長とともに
そんな夢見がちな少女も大人になり、気づけばアラサーに突入していた。
26歳、未だに実感はない。
窓を開ければ見えるのは田んぼに小川、高層ビルも流行最先端のショップもない。
そんな田舎に嫌気がさして、上京してから早4年。
月日が過ぎるのはあっという間。
まあ正直なところ、何かを掴みたくて上京を決めた訳ではなくて
その実態は都会に憧れを持っただけのただのミーハー女である。
環境が変われば自分も自然に変わるだろうという、逃げる手段であり
そんな人間が、流れ作業のように生活を送った結果。
まあ、御察しの通り。
人間そんなに簡単に変われない。
世の中そんなに甘くない。
上京したての頃は輝いて見えた街のネオンも、今は薄暗くて汚く見える。