生い立ち
欲しいものは何でも買える富裕層でもなく、極端に貧乏でもない。
少しの贅沢ならできる、そんな平凡な家庭に、一人娘として私は産まれた。
教師の息子で長男として生まれた父と、スポーツ選手の娘で長女として生まれた母。
まあぶっちゃけ、どちらもそれなりにお坊っちゃんでお嬢さまだ。
父は当時夜勤の仕事をしており、夜に仕事に行き翌日の昼間に帰ってきて就寝。
物心ついた頃にはそれが普通だった。
生活リズムが真逆の父よりも、四六時中一緒にいた母の方に私は良く懐いていた。
その名残は今でも残っており、いまだにマザコン気味である。
とても贅沢ができる訳でもないけど、当時は子供だから金銭的な欲なんてなかったし
忙しいながらに父が可愛がってくれていることも子供ながらに理解していた。
少し過保護ぎみで口煩いところもあるが、母の愛情にも包まれていたと思う。
そんな家庭が、少しずつひび割れていったのは
いつ頃からだっただろう。